トーカイプロダクトストーリー

ものづくりに息づくクリエイティブ精神。す てきなモノが生まれた背景にあるストーリー や、作り手のココロに迫ります。

2018.12.3

親子浴が楽しくなる! 豊橋筆から生まれた、子どもをやさしく洗いあげる筆【福筆(ふくふで)】

愛知県豊橋市近郊で生産され、200 年以上の歴史を誇る伝統工芸品・豊橋筆。筆部分はヤギや馬、イタチの毛など100%天然素材。書道用をはじめ、日本画用、化粧用など用途に合わせて多くの種類があるなか、2017年に商品化されたのが繊細な筆先で子どもの顔や体をやさしく洗いあげる筆「福筆(ふくふで)」です

↑肌あたりが滑らかで、ふわふわの洗い心地!

手がけるのは、豊橋筆を50 年前から作り続ける伝統工芸士のひとり、川合毛筆の川合福男さん。豊橋筆の技術継承のため、後継者の育成に奮闘する川合さんの姿に心を打たれ、同じく豊橋の文化を大切にしたいと思っていた豊橋市役所の吉開仁紀さん、デザイナーの南木隆助さんらが一緒になって開発されました。

↑穏やかな語り口と優しい笑顔が魅力的な、川合毛筆の川合さん。

↑豊橋市役所の吉開さん。豊橋に根付く古き良き文化を広めたいと活動しています。

福筆には豊橋筆に使う素材の中でも細くてやわらかいヤギの毛を使用。やさしい肌触りを保ちながらもしっかり洗える硬さを求めて試作を繰り返しました。持ち手を作っているのは、静岡県を拠点に家具やインテリアを中心としたものづくりをする「すまうと」代表の野木村敦史さんです。

↑劣化しないよう吊して乾かせるようフック状の持ち手に。耐久性とデザイン性がともに両立するようこだわった形状です。

全部で36 もの工程を経てつくられ、そのすべてが手作業。たくさんの毛束から、指の感触を頼りに先が切れている毛を1 本1 本挟み出し、一度も切られていないバージンヘアだけを残す作業は職人技!「毛先は一見揃っているように見えても、数ミリの差があるだけで肌に触れた時の感触は変わってしまう。埋もれている毛を引っ張り出し、ぴったりと毛先を揃えることで 、きめ細やかな肌触りになるんです」と川合さん。

↑ 経験を積み重ねていくことで指の感覚が研ぎ澄まされていくのだそう。

豊橋筆で最も特徴的なのが「練りまぜ」の工程。「はんさし」という道具を使って、毛を伸ばしては折りたたむという作業を何度も繰り返し、長さの違う毛を均等に混ぜ合わせます。長さの違う毛を混ぜ合わせることで、豊橋筆の“水の含みがよく、なめらかな書き味”という特徴が生まれます。

↑ 水を含ませながら、毛を伸ばしては折りたたむ作業を何度も繰り返します。

「50 年経った今も、満足のいくものができた!と思ったことがないんです。豊橋筆は書筆として使われることが多いですが、楷書や行書、草書など書の種類や書く字の太さによって使う筆が変わるし、書く人によって好みも違う。お客さんの注文内容を理解するために自分も使ってみる必要があると感じ、20 年前から書道を習い始めました」という川合さん。

↑ 川合さんが自分の作った筆で書いた「寿」の文字。書道を習い始めてから、使う人の気持ちがよりわかるようになったのだそう。

「『福筆』はぜひパパに使ってほしいんです!」と語るのは、「福筆」の開発に携わる豊橋市役所の吉開さん。「私自身もそうですが、子どもとの時間がなかなか持てないパパに、『福筆』を使って子どもと楽しい時間を過ごしてほしくて。お風呂の時間だけでもパパが主役になれたうれしいです」。

親子ともにお風呂の時間が待ち遠しくなりそうな「福筆」。豊橋筆の歴史と技術に思いをはせながら、極上の肌心地を体感してみてはいかがでしょう。

↑ パッケージもかわいく、出産のお祝いにもぴったり。

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