ものづくりに息づくクリエイティブ精神。す てきなモノが生まれた背景にあるストーリー や、作り手のココロに迫ります。
カリッとした軽い食感のかりんとうに、ほのかな甘みと程よい塩加減のビスケット。「大地のおやつ」は、ツバメヤをプロデュースしていることでも有名なおやつ職人“まっちん”こと町野仁英さんと、岐阜市で創業から140余年続く老舗油屋・山本佐太郎商店4代目の山本慎一郎さんが手がけた、体にやさしい素材で作られているおやつシリーズです。
↑「大地のかりんとう」は、優しい甘さの「黒糖」、自然塩がおいしさを引き立てる「塩」、岐阜県揖斐川町春日に伝わるほうじ茶を使用した「天空の古来茶」の3種類。
まっちんさんと山本さんの、素材へのこだわりは相当なもの。余計なものは使わず、厳選した素材そのもののおいしさを追求しています。
「上白糖に比べて栄養価やミネラル、風味が損なわれていない粗糖を使い、小麦粉も小麦をまるごと挽いた栄養たっぷりの全粒粉を使用。揚げる油は何種類もの油を試した結果、純国産のこめ油に。こめ油で揚げたかりんとうはほんのり甘さがあり、全粒粉との相性もいいんです」と山本さん。
小さなこどもが毎日食べても安心できるよう、保存料や酸化防腐剤は使用しません。
↑岐阜市にある「山本佐太郎商店」前にて笑顔が素敵な女性スタッフと。中央が山本さん。
「大地のかりんとう」をはじめ、ビスケットやサブレなどのラインアップも。毎年新作が登場し、そのレシピはまっちんさんが考案。製造工場の機械によって仕上がりが変わるため、必ず各工場に出向いて試作した生地の手触りを確認し、分量を配合。かりんとうはカリッとした軽い食感に仕上がるよう、何度も試作を重ねたそう。
↑かりんとうのほか、ビスケットやサブレ、あんこ、ホットケーキやスコーンなどに使える「おやつこ」など、多彩なラインアップ。
「大地のかりんとう」を製造するのは、山本佐太郎商店と同じく岐阜市にある社会福祉法人いぶき福祉会。障がいのある人の働く場所や暮らしの場をサポートしているいぶき福祉会。ここに通う約20人が、生地の成形からカット、揚げ、味つけ、袋詰めの一部を担っています。
↑いぶき福祉会で製造のリーダーを務める永田和樹さん。お菓子作りにもこだわりを持ち、厳しい目で品質管理を行っています。
レシピの配合で生地をこねたら、長方形にカットし、薄い棒状に。揚げの工程では、揚げるたびに必ず数本試食して、仕上がりをチェック。最後、粗糖や黒糖をブレンドした蜜とかりんとうを釜に入れて味つけをします。釜の火加減は、コーティングの具合を見ながら長年の勘を頼りに調整。すべてきめ細やかな手作業によって、できあがります。
↑行程ごとにスタッフが数人で担当。みんなでバトンをつなぎながら、ひとつの商品へと仕上げていきます。
今、「大地のおやつ」を食べてくれている子どもたちが親になったときに、また自分の子どもに食べさせたいと思ってもらえる存在でありたいというのが、山本さんの願い。「自分が親になったことで、“安全な食”の価値観が変わりました。お母さんたちが、安心して手に取れるお菓子を、これからも作っていきたいですね」と話します。
↑小さな袋の中に、たくさんの作り手の想いが詰まっています。