ものづくりに息づくクリエイティブ精神。す てきなモノが生まれた背景にあるストーリー や、作り手のココロに迫ります。
染めの原料としてだけでなく、薬草として煎じて飲むなど世界各地で古来より人の暮らしに寄り添ってきた藍。まず目を奪われるのが、その魅了される色の美しさ。そして、天然染料という安心さだけでなく、防虫や抗菌、UVカット、保湿作用のほか、肌荒れやあせもを防いだり、冷え性にも良いといわれるなど、その効能も多岐にわたります。
赤ちゃんが気持ちよく過ごすのにぴったりな藍染めを生かしたベビーアイテム「Aiシリーズ」は、愛知県蒲郡市に本社を構え、ベビーと家族のためのさまざまなものづくりをする「フィセル」と、愛知県西尾市で天然染料と手染めによるアイテムを制作・販売する「渦-uzu-」によって生まれました。
↑甚平やミトンなどのほか、UVカットや保温効果を生かした「こどもケープ」(写真上)、授乳ケープやストールとして使える「ママケープストール」(写真下)など、幅広く展開。
Aiシリーズを手がける「フィセル」の真紀さんと「渦-uzu-」の青木愛さんは、ともに子育て中のママ。「日々変化し、日を追うごとに異なる表情を見せるのは、藍もこどもも同じ。使っていくうちに変化する藍染めの色を楽しむように、こどもの成長を楽しんでいただけたら」と真紀さん。
↑写真左より、青木さんと真紀さん。おふたりとも素敵な笑顔が印象的!
子どもに手をかけて育てるように、丁寧な手作業でAiシリーズの生地を染め上げる青木さん。「手仕事の奥には人の心が宿っています。大切な赤ちゃんが身に着けるものだからこそ、手間や時間がかかっても心を込めて1つひとつ丁寧につくりたい」と話します。
↑藍染めしていることをわかりやすく表現するため、あえて白い部分を残したデザイン。染める作業にも苦労があったそう。
細かな縫製を施し、あとは染めれば完成!という状態で商品は青木さんの元へ。甚平やニットキャップ、おくるみは白と青のコントラストの美しさも魅力のひとつです。
「白く残す部分に藍色が少しでもついてしまわないよう、作業は慎重に。どのアイテムも染めた部分ができるだけ一直線になるよう染料に浸しますが、甚平は生地を前で重ねた際に染めた部分がきれいに揃わず、とくに難しい作業です」。
↑上の方を白く残したニットキャップは富士山をイメージしてデザイン。
↑使い込むほどにふくふくと柔らかくなっていく、愛知県三河産の6重ガーゼで作られた「ふくふくガーゼケット」。
↑春夏に気持ち良いダブルガーゼ素材の「じんべいセパレートボーダー」。
「Aiシリーズ」という名前は、藍染めの“藍”、子どもへの“愛”を込められています。「人や自然はもともとすばらしい力を持っています。本来持っている力を認め、信じ、寄り添うことが子育てをするうえでも大切だと、自身の経験から感じました」と真紀さん。
同じく子育てに奮闘する愛さんも、「子育て中は思い通りに物事が進まずイライラしてしまうこともあります。そんなときに、このAiシリーズで少しでも気持ちが安らぎ、おおらかな気持ちになってもらえたらうれしいです」と話します。
デザイン性だけでなく機能性にも優れ、小さなこどもが心地よく過ごせる「Aiシリーズ」。こどもはもちろん、親の日常にも安らぎをもたらしてくれそうです。